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余韻
凍てつく朝の吐息が 湖面にそっと影を落とす 白く染まる木々の囁き 遠くの峰は静かに夢を紡ぐ 霧は薄絹のように揺らぎ 水に溶けてゆく時間の端 空と山、光と影 すべてがひとつに溶けるとき 静寂は声を持たず ただ、世界を映し続ける


秋風に揺れる
そよぐ白銀の波音に 秋の風はそっと舞い降りる 儚きススキの揺らぎが語る 季節の移ろいの優しさを 黄の葉は静かに燃え 柔らかな光を抱きしめる 触れることなきこの瞬間 心に刻む風の調べ 揺れる草原、染まる葉の声 そのすべてが風と共に溶けてゆく


山々の吐息
静かに連なる山々の吐息が 夜明けの風に乗り広がる 霧がその足元を包み込み 目覚めぬままの大地を覆う 谷を越えて響く音もなく ただ山は静かに見守る 空の色がゆっくりと変わり 光が差し込むとき すべてが動き出す瞬間を ただ静かに、誰も知らず 山々の吐息は続いていく...


海を背に…
夕闇が静かに降りる頃 風は穏やかに頬を撫でる 遠くで波のささやきが響き 一日の終わりが、静かに包み込む 空は淡い紫と朱に染まり 風車は影となり、ただ黙って ゆっくりと回り続ける 疲れた心を、風がさらい 過ぎた時が溶けていく...
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